アロマテラピー検定・資格の認定、学術調査研究の実施
「みどり香るまち」通信 vol.8
平成19年度 におい・かおり環境協会賞
企画者:東京農業大学造園科学科
企画場所:東京都世田谷区
はめ込み式の緑化コンテナや多彩なバラを絡ませた緑化フェンス
東京都世田谷区では、区政100 周年を迎える平成44(2032)年に、みどり率33%を目指し、平成19年度に「みどりとみずの基本計画(みどり33)」を策定し、区民・事業者・学校と連携し取り組んでいます。区内にある馬事公苑前緑地は、1979年の開園から約30 年が経過し、成長した樹木が茂り、暗い印象で、近寄りにくくなっていました。そこで、近隣にある東京農業大学と世田谷区が協働で、公園再生に取り組むことになりました。
造園科学科造園地被学研究室・都市緑化技術研究室の院生・学部生で作成したプランを「みどり香るまちづくり」企画コンテストに応募し、におい・かおり環境協会賞を受賞。
壁面緑化の芳香シクラメン満開のときは、あたり一面が香る/学生が一枚一枚貼りつけた植栽の縁取りの信楽陶板
企画は、都会で暮らすひとびとに身近な植物で季節 を感じ、かおりによる癒しとくつろぎを提供したいと、“かおり”を基軸としています。
受賞後、地域の皆さんの理解を得るための整備説明会を平成20 年11 月に開催しました。基盤整備を行った後、翌21 年の2 月に緑化工事をし、3月19 日、完成しました。
頻繁に公園に足を運ぶ造園科学科近藤三雄教授
都市の緑化がご専門で、東京農業大学造園科学科教授 近藤三雄さんは、次のようにおっしゃられています。
「造園科学科の4 年次生、白井真一君の総指揮の下、一部の樹木の間伐の後、研究室員約80 人で工事にとりかかりました。その後、副賞として贈呈された樹木約500 本を植樹しました。今回は、さまざまな技術を活用しています。多彩な種類のバラをネットに絡ませた緑化フェンスや植物はめ込み式の緑化コンテナを設置し、変化をつけました。トイレも、コケや芳香シクラメン、カラーリーフの代表種であるヒューケラを用い、壁面緑化しました。間伐した樹木は、チップ化し、舗装材や雑草防止のマッチング材として再利用しました。今回の試みが全国の公園再生の手本となることを願っています。」
近藤さんは、完成後も、現地に頻繁に足を運んでいるそうです。今後、馬事公苑前緑地は、研究対象として、東京農業大学と世田谷区が連携して、継続的な維持管理を行っていきます。近藤さんが学生のみなさんと取り組んだ事例としては、目黒区総合庁舎の屋上庭園「目黒十とうご五庭」もあります。
“かおり手法”によって都市緑地を再生するという今回の企画は、各地の先駆的な事例となることでしょう。(事務局)
アクセス
区立馬事公苑前緑地:小田急小田原線経堂駅・東急田園都市線用賀駅 徒歩20 分。
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