アロマテラピー検定・資格の認定、学術調査研究の実施

アロマの研究・調査

健康|Health

頭痛とその周辺症状に対する精油の作用

頭痛は幅広い年齢層で見られ、日本人の約4000万人が症状を有するといわれています。また、痛みだけでなく、その周辺症状(寝付きが悪くなる、気分の低下、仕事や家事が手につかなくなるなど)により日常生活へも大きく影響を及ぼします。種々の薬物治療が行われますが、完全に痛みが消失しない場合が少なくないため、アロマテラピーなどの非薬物療法が注目を集めています。今回は、頭痛とその周辺症状に対する精油の作用を調べることを目的とした研究を紹介します。

実験方法

対象 頭痛(片頭痛・緊張型)を持つ女性24名(平均年齢38.3±12.9歳)
精油 ラベンダー、ゼラニウムのいずれか(各12例ずつ)
対照 市販のアルコール性擦式消毒剤
方法 介入、非介入それぞれ28日間(クロスオーバー法)
①アロマランプ②ハンカチ③温水タオルを使用した芳香浴
3種類の方法のなかから都度自由選択により介入を実施
測定項目 頭痛の回数・程度(月経期間および前後数日)、頭痛薬の服用回数、各種評価表(睡眠・気分)を毎日記録
  • ※ATP:生物由来の汚れや微生物等に含まれる物質で、今回はATP値(単位:RLU)を汚れ具合の指標とした

実験結果

下記測定項目で減少・軽減傾向が確認されました

●頭痛の回数、程度(月経期間および前後数日)

●仕事や家事への影響度

●憂うつ感

●頭痛薬の服用回数

●入眠するまでの時間

また、ラベンダーよりもゼラニウムを使用した場合に、より頭痛の回数や程度が減少する傾向が確認されました。

論文  上野節子,他(2022)女性頭痛患者に対するアロマテラピーの有効性に関する研究.日本頭痛学会誌 49(1):215-222.