アロマテラピー検定・資格の認定、学術調査研究の実施
精神神経系|Mental
眠りが浅いといわれる高齢者を対象に、就眠前にオレンジ・スイートの香りを嗅いで就寝してもらったところ、香りのない水と比較して、就眠前の副交感神経活動が有意に増加しました。さらに、就寝中も居室内にオレンジ・スイートの香りを漂わせ続けたところ、香りのない水と比較して、翌朝、起床後の副交感神経活動が有意に低下しました。これは起床後に覚醒度がアップし、すっきり目覚めていることを示しています。
これらの結果から、就眠前にリラックスできたことにより、安心して熟睡することができ、起床後にすっきりとした目覚めがもたらされていることが推測できます。
不眠や目覚めの悪さなどに働きかけることが示唆されたオレンジ・スイート精油。幅広い年齢層への活用が期待されます。
対象:要介護高齢女性12名
オレンジ・スイート精油 0.025mlを水道水500mlに入れ、加湿器でミストと共に拡散し就眠前に10分間吸入。
就寝後は部屋の隅に加湿器を移動、翌朝まで加湿器を運転させて就眠。
就眠前と起床後に副交感神経活動の指標として心拍動性(HF値)を測定。
オレンジ・スイート精油の香りを吸入した後、香りのない水を吸入した時と比較して、副交感神経活動が一部で有意に増加。リラックスしていることを示しています。
オレンジ・スイート精油の香りを居室内に漂わせて睡眠。
起床した時の副交感神経活動は、水を使った時と比較して、一部で有意に低下。
覚醒度がアップし、すっきり目覚めていることが示されました。
原著論文「オレンジ・スイートのにおいが要介護高齢者の就眠前不安にもたらす生理的影響.松永慶子、李宙営、朴範鎭、宮崎良文.アロマテラピー学雑誌、vol.13(1),47-54, 2013」