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アロマの研究・調査

忌避|Repellent

コバエに対するヒノキ精油の忌避作用

春の訪れとともに、昆虫や動物たちの活動は活発になっていきます。同時に、衛生害虫と呼ばれるコバエも活動しはじめ、目につくようになります。
一方で、私たちの身近にあるヒノキの香りは、古くから防虫剤として使われてきました。そこで今回は、ヒノキ精油がコバエの行動などに与える影響を調べた実験をご紹介します

実験方法

対象 キイロショウジョウバエの成虫 300匹
精油 ヒノキ精油
対照 蒸留水
方法 T迷路実験
選択路の両端にヒノキ精油※1または蒸留水を入れた容器※2を設置した。閉鎖空間の中にキイロショウジョウバエを放ち、10分ごとに各容器に入った数を計測した。

※1 ヒノキ精油は蒸留水に希釈(70μg/㎖)
※2 各0.1㎖を染み込ませた綿を容器の底に入れた

実験方法

  • 【本実験で使用したヒノキ精油】
  • 学  名:Chamaecyparis obtusa
  • 科  名:ヒノキ科
  • 抽出部位:枝・葉
  • 抽出方法:水蒸気蒸留法
  • 主な成分:α-テルピノレン、(+)- 3-カレン、α-ピネン、サビネン

【キイロショウジョウバエ】
日本全土に分布しており、コバエとも呼ばれる。春から秋にかけて発生することが多く、主に台所など食品があるところで見られる。

実験結果

実験結果(月経の痛みの強さの比較)

キイロショウジョウバエに対して、ヒノキ精油の忌避作用が確認された。

論文:Lee SH, et al. (2015) Effects of essential oil from Hinoki cypress, Chamaecyparis obtusa, on physiology and behavior of flies. PLoS One 10(12):e0143450.