アロマテラピー検定・資格の認定、学術調査研究の実施
安全性│Safety
多くの方が「柑橘系の精油にある」と認識を持たれている光毒性は、フロクマリン類の中でも最も強い光毒性作用をもつ「ベルガプテン」の量が大きく影響しています。今回ご紹介する実験では、116種類の精油のフロクマリン類分析を行いました。その中でもミカン科の12精油のベルガプテン量を比較した結果、「柑橘系の精油でも、光毒性の強さは種類によって大きな差がある」ということがわかりました。下記のグラフが示すように、最も数値が高いのは「ベルガモット精油」となりました。また同じミカン科のなかでも種類によって、また同一の種類でも部位や抽出方法、生育地、収穫時期などによって、ベルガプテンの所在の有無または濃度に変動があることがこれまでの報告から分かっています。
今回の実験では、ベルガプテン量が…
最も多い ➡ ベルガモット精油
中程度入っている ➡ グレープフルーツ精油
少量~微量 ➡ その他の柑橘類
【 光毒性とは 】
光毒性とは、(精油などの)光感作物質を肌につけた状態で日光に当たることで、「色素沈着(シミ)」や「炎症」などの皮膚トラブルが起こること。精油に含まれる成分が紫外線に反応することで起こります。
【ベルガプテンとは】
精油に含まれる成分で、光毒性作用をもつ代表的なものです。
IFRA(国際香粧品香料協会)の基準では15mg/kg(ppm)以下であれば安全とされています。
論文:沢村正義, 他(2016)精油中のフロクマリン分類.アロマテラピー学雑誌17(1):39-47.
Abstract :In this study, phototoxic furocoumarins were detected in various essential oils to
provide aromatherapy-related safety information. p-Chlolorobenzophenone was employed as an internal standard in
a selected ion monitoring mode for the detection of phototoxic compounds using gas chromatography-mass
spectrometry(GC-MS). To ensure the precise detection and determination of certain phototoxic compounds,
including psoralen, xanthotoxin, bergapten, and isopimpinellin, as well as a non-phototoxic coumarin, aurapten,
in the same GC-MS analysis, nine mass ions were selected. Among a total of 116 kinds of commercially available
essential oil products, furocoumarins were detected in four Apiaceae and nine Rutaceae oils. Aurapten, on the
other hand, was detected in six Rutaceae oils.
Key words: essential oil, furocoumarin, phototoxicity, bergapten, GC-MS