アロマテラピー検定・資格の認定、学術調査研究の実施
美容|Beauty
白い花が可憐なカモミールは、キク科のハーブで一年草のジャーマンカモミール、多年草のローマンカモミールなどの種類があり、ハーブティー、精油、エキスなど、さまざまな形で、植物療法として汎用されています。AEAJでは、カモミール・ローマン精油を使い、肌への美容効果を調べる実験を行いました。その結果、コラーゲンの産生促進作用が増加することが認められました。カモミール・ローマン精油には、肌本来の美しさを甦らせ、健康な肌を保つことに役立つ可能性が期待されています。
ヒトの細胞にカモミール・ローマン精油を少しずつ量を変えて添加し、なにも加えない状態(グラフ中のコントロール)と比較したところ、コラーゲンの量が有意に増加していることが確認されました。さらに、カモミール・ローマン精油の量を増やすに従い、産生されるコラーゲン量も増加しました。
(注)インビトロの実験であり、人の肌で行ったものではありません。
インビトロ(in vitro):試験管や培養器などの中で、ヒトや動物の組織を用いて反応を観察する実験。
イメージ図
皮膚の構造は、表皮の下に真皮層があり、真皮層はコラーゲンとそれを束ねるエラスチンで構成されています。コラーゲンの産生が活発に行われると、弾力性に優れたハリのある肌が維持されますが、コラーゲンが減少すると表皮のハリが失われ、シワやたるみ、キメの乱れなどにつながります。コラーゲンは紫外線や活性酸素によって変成し、加齢とともに産生される量が減少します。
40歳前後の女性44名に、1日1回、4週間、カモミール・ローマン精油1%希釈ホホバオイルまたはホホバオイルのみをセルフトリートメントしながら塗布したところ、いずれの使用群においても、キメが整う例がみられました。
AEAJでは、本研究に基づく「コラーゲン産生促進剤、化粧料、コラーゲン産生促進方法」に関し、2013年5月31日付で特許取得となりました。公開情報に関しては、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)HPをご覧ください。
原著論文「カモミール・ローマンのコラーゲン合成促進作用.熊谷千津、野田信三、河野弘美、佐藤有希、塩原みゆき、山本芳邦.アロマテラピー学雑誌、14(1),27-36, 2014」