アロマテラピー検定・資格の認定、学術調査研究の実施
精神神経系|Mental
世界に先駆けて超高齢社会となった日本。厚生労働省研究班の推計によると、2012年時点で認知症高齢者は軽度を含めると約462万人に上り、予備軍とされる約400万人を加えると65歳以上の4人に1人が該当するとされています。認知症のなかでも約7割を占めるアルツハイマー型認知症に、アロマテラピーを行って有用性が確認された研究データをご紹介します。
実験では、高度アルツハイマー病65例を含む、高齢者77例を対象として行われました。アロマテラピーを実施した期間中は、朝にローズマリー・カンファーとレモン精油、夜にラベンダーとオレンジ・スイート精油をディフューザーで散布しました。その結果、手指名称記憶の点数で有意な改善がみられました。
対 象 | 特別養護老人ホーム入所中の高齢者77例 (軽度アルツハイマー病(以下AD)6例、中等度AD6例、高度AD65例) |
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使用精油 | 朝(9~11時) | 夜(19時半~21時半) |
ローズマリー・カンファー精油 4滴 | ラベンダー精油 4滴 | |
レモン精油 2滴 | オレンジ・スイート精油 2滴 | |
方 法 | ディフューザーで散布 | |
結 果 | 全体のTDAS(タッチパネル式認知機能検査)総点に有意差はみられませんが、認知症の好発年齢である65歳以上群に対する高度AD群のTDAS総点では有意に改善がみられました。 |
専門家がいなくても短時間(通常約20分前後)で認知機能のタッチパネル式テストができるプログラム。
特許番号:第4171832号(発明者・鳥取大学医学部教授 浦上克哉、准教授 井上仁)
最初の28日間を何もしない期間(コントロール期間)とし、その後28日間でアロマテラピーを実施しました。効果の持続と消失を検討するため、その後28日間を何もしない期間としました(ウォッシュアウト期間)。その結果、手指名称記憶テストの点数(平均値)について有意な改善がみられました。
原著論文「高度アルツハイマー病患者に対するアロマセラピーの有用性.神保太樹、浦上克哉.日本アロマセラピー学会誌7(1), 43-48, 2008」