アロマテラピー検定・資格の認定、学術調査研究の実施
著者名 | 長谷川弘江 |
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文献名 | アロマテラピー学雑誌4(1) 1-5 (2004) |
嗅覚という科学的反応は、他の感覚と違い、文化性も追随する。日本の世界遺産である東大寺の宝物蔵である正倉院の奉盧舎那仏種々薬帳の中の香薬を元に、日本の薬草の中でも香りを用いたものについて検証し、日本のアロマテラピーの源流を考察した。
中国大陸からわたってきたため、漢方であることは否めないが、分類にも「香薬」とつけ、香りは薬、飲用のみならず、鼻からの効用についても伝承していた。
キーワード
東大寺正倉院、盧舎那仏種々薬帳、香薬、香水、伝承
著者名 | 井村真澄、操華子、牛島廣治 |
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文献名 | アロマテラピー学雑誌4(1)6-13 (2004) |
2002年11月22日から2003年1月3日の間に都内一般病院産科病棟入院中の褥婦(平均年齢 34±4.1歳、年齢範囲 22―43歳)102名を対象とした。香り提示順序による回答への影響を最小限にするために、提示する香りの順序を替えて3群を設定し、連続サンプリングによって対象者を各群に振り分けた。対象者には香り提示前にマタニティーブルーズ・抑うつ状態・対児感情に関する質問紙調査を行ったあと、スイートオレンジ・ラベンダー・ゼラニウムの3種類の香りを提示し、各香りに対する心地よさと嗜好する香りの順序を調べた。
その結果、スイートオレンジは90.2%の対象者が心地よいと回答し、心地よくないと回答した対象者は0%であった。また、提示した3種類の香りの順位付けにおいて、71.6%の対象者はスイートオレンジを第一に選択した。
EPDSスコアの結果をもとに、区分点≦9として対象者を正常群と抑うつ群の2郡に分けた。各香りの嗜好性と、マタニティブルーズスコア、対児感情スコア、授乳方法には統計上有意な関連は認められなかった。ラベンダーと産後抑うつスコア(2検定 p= .011)、ゼラニウムと出産方法( 2検定 p= .037)および母子同室実施状況( 2検定 p= .007)では、統計学上有意な関連が見られた。
キーワード
産後の母親、香りの嗜好性、スイートオレンジ、ラベンダー、ゼラニウム
著者名 | 延原紀子 |
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文献名 | アロマテラピー学雑誌4(1)14-19 (2004) |
香りに対する認識およびアロマテラピーに対する興味や学習意欲において、視覚障害者と健常者に差異はほとんど認められなかった。
しかし、情報収集の機会および手段においては、視覚障害者にハンディがあることから、アロマテラピーの学習機会を損なっている場合が多かった。視覚障害者が、アロマテラピーを安全に、楽しく実践できる環境を創造することが求められる。
キーワード
視覚障害者、情報収集の機会、アロマテラピーの実践
著者名 | 菅野久信、白水重憲、岡本順子 |
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文献名 | アロマテラピー学雑誌4(1)20-25 (2004) |
現在の社会構造はストレスを生み出す構造となっており、その為生命維持に必須の睡眠の障害を引き起こしている。睡眠薬の使用は耽溺を引き起こす傾向があるので可能な限り避けることが望ましい。最近、アロマテラピーが普及し香りがストレス解消に使用されている。今回の実験は睡眠に対する香りの効果を調べるために行った。香りは被験者に自分の好きなものを選ばさせて、終夜睡眠における脳波のパターンを解析した。殆どの被験者はオレンジを選択した。
面白いことにオレンジはREM睡眠を増加(p<0.005)させた。睡眠障害を訴える外来患者で行った香りによる睡眠のアンケートでは全ての香り(イランイラン、ラベンダー、オレンジ)が寝就きの時間を短縮(p<0.002)し、夜中に目の覚める回数を減少(p<0.001)させた。今回の香りの睡眠に対する予備実験は香りが不眠に有効であること示唆している。
キーワード
ストレス、不眠、香り、睡眠の質
著者名 | 野田信三、大徳絵里、岡崎渉 |
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文献名 | アロマテラピー学雑誌4(1)26-29 (2004) |
Rose Waterが微生物生育阻害に与える影響について検討した。本実験ではRose Waterの他にRose Waterの主成分であるLinalool、Citronellol、Nerol、Geraniol 、Benzylalcohol、Phenylethylalcohol、Methyleugenol、Eugenol、Ethylalcoholも使用した。試験用微生物としては、皮膚常在菌2種(Candida albicans JCM1543、Saccharomyces cerevisiae JCM7255)、界面活性剤由来菌4種(Corynebacterium sp.G01、Bacillus sp.G21、Enterobacter sp.G42、Serratia sp.A3) 、 大腸菌IFO3972 (ATCC1543)と枯草菌JCM2449 (ATCC6633)を用いた。
精油の香りすなわち揮発成分については、寒天培地に各微生物をそれぞれ塗布し、揮発成分が直接当たるようにして培養した。また、精油そのものの影響についてはペーパーディスクを用いた溶液法により評価した。その結果、揮発成分、溶液法どちらにおいてもRose Waterによる微生物生育阻害が認められなかった。
そこで、Rose Waterに対し、それぞれ植菌し、抗菌活性の有無を検討した。その結果、使用した全ての菌において、Rose Waterによる微生物生育阻害への影響が認められ、水に溶解している芳香成分に微生物が接触しやすい場合において微生物の生育阻害を行う事が示唆された。
キーワード
ローズ水、芳香、微生物生育阻害、皮膚常在菌、界面活性剤由来菌