家具を選ぶその先に、
香りの提案がある
家具を中心とした、住空間のインテリアコーディネートをメインの業務としています。無印良品の店舗を訪れるお客さまが求める「感じ良い暮らし」には、どんなベッド、どんなソファーを選ぶかというその先に、「自分らしい空間づくり」や「忙しい毎日の中でも有意義な時間を過ごしたい」というニーズが含まれていると感じています。寝室やダイニング、勉強部屋など「いつ、どこで、どんな時間を過ごしたいか」というシーンごとの具体的な空間づくりについて話していると、自然と“香り”に行きつくことが多いですね。店頭でアロマ関連のグッズに触れられるのは女性のお客さまが多いのですが、生活シーンを構成する上で香りを考える場合は、男性も女性も関係なく、より良い空間づくりのために香りをどう取り入れるか、という発想が必要になってきます。
“香り”の快適さを
正確に伝えるために
アロマ関連の製品を扱う店舗は以前からありましたが、アロマテラピーの資格については、アロマのオリジナルブレンドをつくる工房などを持つ限定的な店舗で一部の社員が取得していた程度でした。しかし、無印良品のインテリアコーディネート部隊として、家具を売るだけではなく、暮らしの幅を広げる提案も合わせて行うようになってからは、“香り”に関する情報が欠かせなくなってきました。目には見えない香りがつくり出す快適さを、より明確に伝えるためにも正しい知識が必要となり、今ではチーム全員がアロマテラピー検定を取得するようになっています。その知識を活かして、「こういう暮らし方をしたい人にはこういう香り」というフローチャートを作り、お客さまのニーズにあった香りをチーム全員が的確に提案できるようになりました。
学びを通して、暮らしの中での
香りの影響力を実感しました
“暮らし方のアドバイス”というところまで業務の領域が広がったことで、アロマテラピー検定の取得という流れが自然にできましたが、それまでは、香りを提案の中に入れるという考え自体浸透していませんでした。それが、資格の勉強を通じて暮らしの中での香りの影響力を理解するようになってからは、照明や観葉植物などと一緒に、香りという選択肢についても予め用意できるようになったんです。また、資格を取ったことによって香りへの向き合い方が変わったスタッフもいて、プライベートでも香りを積極的に取り入れるようになり「自分の暮らしが変わった」という人や、もっと上の資格を目指して勉強を続けている人もいます。
安全で快適な空間を広げるという
新たなミッションに向けて
現在、香りのアドバイスについては住空間向けが中心ですが、今後はオフィスや学校、病院などでも可能性があると思っています。特にオフィスの中でくつろぎの空間をつくるとか、作業効率をあげるための環境整備などは、いま私たちが行っている法人対応のなかでも課題に感じている部分です。自社のオフィスを見渡しても、個人でアロマディフューザーを焚いている人も多いですし、それを職場のインフラとして取り入れることで、全社的な作業効率の向上や、コミュニケーションの活性化にも期待が持てるんじゃないでしょうか。もちろん、天然のアロマを扱うことにはリスクも伴いますので、しっかりとした知識を身につけた上で体制を整え、安全で快適な香りの空間を広げていきたいと思っています。