2022.8.31

大切なのは「あなた自身」だと
伝えたいから。

プロフィール

高橋かおりさん

(看護師/東京)

  • アロマテラピーインストラクター

看護師だった母親の背中に憧れ、大学病院の外科病棟で看護師としてのキャリアをスタートさせる。その後、クリニックでビジネスパーソンの健康管理の現場に立ち会ううちに、自分の身体よりも仕事を優先する現役世代たちに必要なサポート、医療だけでは解決しない悩みや問題に寄り添う役割や必要性に気づき、アロマテラピーをベースとしたサロンを立ち上げる。

「自分をいたわる」意識が芽生えた
アロマトリートメント

看護師として働きながら家事・子育てもして、自立した生き方をしている母の姿に憧れ、「いつかは私も看護師に」という気持ちが芽生えました。看護師資格を取得したあと、まずはいろいろな経験を積みたいと思い大学病院の外科病棟で働き始めたのですが、目の回るような忙しさで。やることや考えることが常に山積みで、身体は疲れているのに眠れなかったり、ストレスで過食になったり……そんな働き方を8年間続け、結婚を機に退職した直後に大きく体調を崩してしまいました。激務と緊張の連続だった大学病院では、身体がSOSを出していても意識がそれに気づかなかったのかもしれません。転職した総合病院では比較的負担の軽い日勤だけの業務でしたが、家に帰るとベッドに倒れ込むようになってしまいました。

病院で治療を受けても一向に回復せず絶望的な気持ちでいたとき、何気なくアロマトリートメントを受けたんです。すると、香りや手技の心地よさと共に自分自身へのいとおしさがこみあげて、「ここで人生を諦めてはいけない!」というパワーが生まれてきて(笑)。「自分をいたわる」意識が芽生え、睡眠や食事も見直した結果、乱れていた自律神経が少しずつ整いはじめて……最先端の医療でも治らなかった身体が、元気を取り戻していったのです。

医師とは違う目線で、
看護師の私にできること

かつての自分と同じような働き方をしている人たちに「大切なのはあなた自身」なのだと伝えたくて、アロマテラピーインストラクターの資格を取りました。それからは、あくまでも症状にフォーカスする医師の診断に対し、看護師としての私は、患者の痛みや不調の“背後”にある要因に目を向けるよう心がけています。カウンセリングを行う際は、「温かみを持って接する」ことや「何事も決めつけない」というアロマテラピースクールでの学びが活かされています。

そして、体調を崩した自らの経験を踏まえ多くの人に“セルフケア”への意識を高めてもらいたいと思い、アロマテラピーサロンを立ち上げました。看護師の仕事との両立や、昨今はコロナ禍という状況もありなかなか思うように活動できていませんが、通勤途中で情報発信したり、講座やワークショップをオンラインに切り替えたりして、無理のないペースで続けていこうと思っています。また、「AEAJアロマスペシャリストサーチ」(AEAJ資格保持者へ講師やセラピスト活動の依頼が行えるサイト)を通じて依頼を受けた訪問看護ステーションでの講座では、スタッフにアロマの活用を教えるなど医療現場でのアロマテラピーの広がりも進めていきたいと思っています。

一緒に考え、支え合えるサロンを

現在は生殖医療専門のクリニックに勤務していますが、2022年4月から保険適用になったこともあり、不妊治療を受ける方は一層増える傾向です。妊活は妊娠することがゴールだと思われがちですが、実はその“後”が大切です。出産や子育ては身体に大きな負担を伴いますし、高齢出産の場合は、子育て期からそのまま更年期を迎える可能性もあります。「せっかく子どもを授かったのに体調不良が続き、幸せを実感できない」という方もいらっしゃいました。

今後は、妊娠・出産とその先も見据えた妊活のサポートと、更年期を迎えた女性を支える仕事を私のライフワークにしていきたいと考えています。更年期はすべての女性に関わる問題ですが、自分の身体の仕組みについて意外と知らない女性が多く、医療側でも個別の症状に対応しきれていないのが現状です。「婦人科で相談しても解決しない」「いろいろ試したけど改善しない」という方から私のサロンに連絡をいただくこともあります。

私自身40代を迎え、身体の変化を感じ始めました。更年期の悩みは本当に人それぞれなので、サロンでは「教える・教わる」というスタイルではなく、さまざまな意見やケースを共有しながら皆さんと一緒に考え、支え合い、更年期を明るく乗り越えていける場をつくっていきたいと思っています。

※記事はすべて取材当時の情報です。

プロフィール

高橋かおりさん

(看護師/東京)

  • アロマテラピーインストラクター

看護師だった母親の背中に憧れ、大学病院の外科病棟で看護師としてのキャリアをスタートさせる。その後、クリニックでビジネスパーソンの健康管理の現場に立ち会ううちに、自分の身体よりも仕事を優先する現役世代たちに必要なサポート、医療だけでは解決しない悩みや問題に寄り添う役割や必要性に気づき、アロマテラピーをベースとしたサロンを立ち上げる。

おすすめのインタビュー