香りを入口に、
眠りの大切さを知ってほしい
寝具メーカーで、販売員への教育と店頭でのセミナー、寝具選びのコンサルティングをしています。「眠りの質を上げましょう」ということをお客さまに伝えるのが仕事ですが、寝具の話だけではどうしてもセミナーが単調になってしまう……と考えていた時に、睡眠環境を整える条件に「香り」があることに気づきました。さっそくセミナーで精油をつけたムエットをかいでもらうと、(眠たくなる午後のセミナーでも)参加者の表情が活気づきました。香りがセミナーのムードを変えてくれて、講師と参加者の距離がグッと縮まったんです。 社内に寝具のプロは大勢いますが、睡眠環境全体について話をできる人間はいなかったので、そこからのアプローチを考え直しました。そして「香りについて伝えるためには正しい知識が必要」と思い、アロマテラピーの勉強を始めました。
社内で浸透したきっかけは、
アスリートの好反応
睡眠とアロマテラピーの関係を打ち出すのは社内でも初めてのことで、当初はなかなか理解してもらえませんでした。浸透したきっかけのひとつは、アスリートへの眠りのサポートです。アスリートの方々にとって良質な眠りを得ることは非常に重要です。遠征や緊張の中でうまく疲れを取り、結果を出さなければならないですから。睡眠環境だけでなく、フィジカルやメンタルのコンディショニングにもアロマが役立つことを伝えると、取り入れてくださる方が多いです。その反響と併せて「眠りとアロマテラピーは切り離せない」と社内で言い続けました。今では展示会場で上司に「アロマを焚き忘れないでね」と言われるくらい浸透しています。
出会いが広がり、話が広がり、
仕事の幅も広がりました
アロマテラピーを勉強したことで、出会いが広がりました。寝具の話だけだと退屈して帰ってしまったかもしれない方が、アロマの話をきっかけに「実は眠れなくて悩んでいるんです」と打ち明けてくれることもあり、そこから話が広がります。また、最近は精油やハーブを扱う企業とのコラボレーションも増えてきました。睡眠環境の整え方としてアロマテラピーを取り入れるという話をした後に、精油を扱うショップの店長さんがアロマについて話す掛け合いセミナーなどです。仕事の幅が以前と比べ物にならないくらい広がりました。
アロマテラピーの可能性を、
私たちの視点で広げたい
社内の理解が得られるまでに苦労はありましたが、ここまで香りの認知が広がったのは、今まで寝具売り場に来なかった人に、アロマテラピーの話をきっかけに興味を持ってもらえるようになって、会社の見方も変わったからだと思います。「これからはアロマについて話せる人間を育てなければ」という意識が社内でも高まり、会社も資格取得を支援してくれていますし、私たちも積極的に伝えていくつもりです。実は今、小学生に向けた“眠りセミナー”で香り当てクイズを企画しています。子どもたちがどう反応するのか、考えるだけでワクワクしますね。